この人形の家は、会社勤めをしていたころ、毎週末に少しずつ半年かけてつくったもので、私が子供のころに読んだルーマー・ゴッデンの『人形の家』の見返しについていた挿絵をモデルにしたものだった。物語の家の電灯はつかなかったと思うが、私はどうしてもつけたくて、会社の昼休みに抜けだしてラジオ会館で、豆電球やソケット、ケース、トグルスイッチを買い、店員に配線図を描いてもらって、どうにか完成させた。いまや豆電球を買うのも一苦労で、電灯は諦めようかと思ったのだが、娘の残念そうな顔に思い直し、スタビードライバーを買って試したところ、錆びついたケースが外れたので、頑張ることに。ただ、難しい配線はやめて、単3電池1本で1.5Vの豆電球がつくセットなるものをネットで買い、四半世紀前に買ったのとほぼ同じトグルスイッチを追加で2つ買い、老眼でハンダ付けに初挑戦して、なんとか灯りがついたときは、久々に達成感があった!
こんな玩具で遊んで子供時代を過ごし、イギリスで過ごした3年間に田舎の光景や動物をたくさん見てきた娘が、消しゴム判子とリノリウム版画で作成した白黒の挿絵だ。これから年末にかけて、銀座までおでかけの折に、覗いていただけると嬉しい。
この本に関する娘のブログ記事はこちら。 教文館の原画展の案内はこちら。
このアトリーの仕事と並行して、娘はもう一冊、フランスのラ・マルティニエール・ジュネス社からフランスの鳥類学者フィリップ・J・デュボワ著、『Oiseaux: Des Alliés à Protéger』(鳥、守るべき仲間)の挿絵の仕事も請け負っていた。こちらは本そのものも日本から購入するのは難しそうだが、先日、ようやく届いた見本はじつにきれいな仕上がりになっていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿